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2016.03.30

会社を守るための就業規則

私は主に中小企業の労務相談を受けているのですが、最近、就業規則のチェックをしてほしいという依頼が多いです。

中身を見て話を聞いてみると、厚労省や同業他社が使っている就業規則の雛形をそのまま使っていて、自社の労働実態に則していない就業規則内容となっているケースがかなりの割合で存在します。

就業規則は、各企業におけるルールであり、労務に関する問題が発生しないように予防するとともに、問題が発生してしまったときに会社を守るためのものです。

業種によって従業員の活動実態が異なってくるのは言うまでもありませんが、業種が同じであっても企業によって考え方が異なるのは当然ですので、就業規則も当該企業における労働実態や考え方に則したものにしておかないと、従業員に守ってほしいと考えているルールが定められていなかったり、会社としては当然のルールと思っていることが従業員に伝わっていないという事態が出てきます。

就業規則は、一度、定めてしまうと、従業員に不利益を与える形での内容の変更は簡単には行えません(労働契約法9条、10条)。
そのため、就業規則内容を定めるときは十分に自社における労働実態を確認しておく必要がありますし、内容を変更する際には、就業規則変更が無効であると言われないようにするために慎重な手続きを踏む必要があります。

会社を守るために、日常的に相談できる弁護士に対して自社の労働実態を説明し、適切な就業規則内容にしておくことをお勧めします。

2015.07.13

限定正社員制度

こんにちは。

今年も弁護士会の労働法制委員会夏季合宿に参加してきました。
私が所属している労働契約法部会における今年の研究テーマは、「人事権」についてです。

1月から4月まで「配転」「転勤」「出向」「降格」というテーマについての裁判例研究を行い、5月には私が新しい制度としての「限定正社員」について研究発表を行いました。
7月の夏季合宿はこれらのテーマについて委員会全体で議論してきました。

限定正社員の定義について、法律上の定めはありませんが、一般に、職務、勤務地、勤務時間等を限定した無期の社員のことを指します。

従前から、個別の労働契約で職務限定特約や勤務地限定特約を締結するケースは存在していましたが、現在、国として、労働協約や就業規則による限定正社員制度の導入を後押ししようとしています。
(職業安定分科会という会議では、正社員と限定正社員、限定正社員と非正規社員の相互転換システムを導入する会社に助成金を出すことなどが検討されていますが、そこでの限定正社員の定義においては、労働協約や就業規則による限定正社員制度の定めが求められています。)

限定正社員制度の普及を進めようとする背景には、少子高齢化による労働力人口の減少や、価値観の多様化といった時代の変化が挙げられます。
限定正社員制度が普及すれば、現在、育児や介護で正社員として勤務できない人等を無期雇用にすることが可能になり、多様な働き方が実現できます。
また、ある職務に専門特化した人材を育成することによって外部労働市場(つまりは転職ですね。)を活発にすることにもつながります。
そして、これらが社会全体で広がれば、ひいては社会全体での適材適所が実現でき、効率的な労働力活用ができるというわけです。

以上のような建前論の他にホンネ論も色々とありますが(笑)、今後も新制度に関する実務対応の検討を進め、情報発信していきます。

2015.02.18

無期転換権発生までの期間に関する特例③:継続雇用型

前回は、有期特措法の①プロジェクト型についてご説明しましたが、プロジェクト型の適用対象となるのは大企業のごく僅かの方だけです。
中小企業で有期特措法を活用するとすれば、間違いなく②継続雇用型でしょうから、今回は、継続雇用型についてご説明します。

②継続雇用型
・高年齢者雇用安定法(以下、「高年法」といいます。)上の継続雇用措置に基づいていること
継続雇用型では、定年後、引き続いて雇用されている期間は、労契法18条の「通算契約期間」に参入しないこととされています。
つまり、定年後継続雇用の場合、その期間は無期転換権は発生しないということです。

ここで、注意しなければならないのは、例えば、A社で定年を迎えた人がA社と関係のないB社で有期労働契約を締結し、更新を繰り返している場合などです。
この場合、高年法の継続雇用措置とは無関係に有期労働契約を締結していますので、有期特措法は適用されず、労働契約法18条の原則通り、通算契約期間が5年を超えると無期転換権が発生します。

・厚労大臣の認定
厚労大臣の認定を受けないと有期特措法の適用を受けられないことは①プロジェクト型と同じです。
継続雇用型でも厚労大臣が定めた基本指針に則った計画を作成しないといけないのですが、ここでは、対象労働者に対する配置、職務および職場環境に関する配慮などについて定めるべきものとされています。

趣旨としては、高年法上の継続雇用措置が適切なものとして整備、運用されていますよということを計画に示してくださいね、ということです。

<特措法の活用>

近年、長引く不況や少子高齢化の影響等で、新規採用は縮小傾向にあり、企業における重要な業務やポストを年輩の労働者が担っている企業は多いと思います。
ただ、企業の長期的な発展を考えた場合、必ず人材は新陳代謝させる必要があります。
その際、当該企業で長く働いていて、企業風土やノウハウを熟知しており、かつ、能力・意欲のある高年齢者には、若手労働者に技術・経験・ノウハウ等を伝えたり、業務を引き継いだ後の補助的業務を担ってもらったりすることが重要になります。

このような場合、継続雇用型の特例を受ければ、65歳を超える人材を活用するときのリスクが抑えられます。
高年法の趣旨に則った継続雇用措置の整備・運用について計画に盛り込めば、厚労大臣の認定が受けやすくなりますので、是非、制度設計して活用すべきでしょう。

(本連載の①②は下記リンクをご参照下さい。)

無期転換権発生までの期間に関する特例①:概要
http://www.kawarabayashi-law.jp/blog/2015/01/post-51-1072025.htm

無期転換権発生までの期間に関する特例②:プロジェクト型
http://www.kawarabayashi-law.jp/blog/2015/02/post-52-1093006.html

弁護士瓦林道広の労務問題に関するサイトは下記URLをクリック
http://www.kawarabayashi-law.jp/labor/

労務問題の関連ブログは下記URLをクリック(下記以外にも有益情報を多数発信しています。)
・契約社員の無期転換権
http://www.kawarabayashi-law.jp/blog/2014/08/post-41-958178.html
・契約社員の解雇
http://www.kawarabayashi-law.jp/blog/2014/07/post-938939.html
・労働時間管理
http://www.kawarabayashi-law.jp/blog/2014/06/post-1-920178.html
・就業規則と懲戒処分
http://www.kawarabayashi-law.jp/blog/2014/03/post-7-786401.html

2015.02.06

無期転換権発生までの期間に関する特例②:プロジェクト型

前回は、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」(以下、「有期特措法」といいます。)における無期転換権発生までの期間延長等の概要と適用対象者についてご説明しました。

今回は、有期特措法が適用されるための要件についてご説明します。

①プロジェクト型
・専門的知識・技術等を有していること
 
プロジェクト型では、専門的知識・技術等を有していることが要件とされていますが、具体的に何がここでいう専門的知識・技術等にあたるかは、現在、労働法制審議会で議論して決めようとしている最中です。

つまり、法律は公布されたものの、具体的な要件の内容は公布後に議論して決めましょうということです。
少しいい加減な気もしますが、法案審議の段階では一応の目安が示されています。
そこでは、労働基準法14条における一回の有期労働契約の期間の特例に関する厚労省告示が引き合いに出されています。
この告示を見ると、専門的知識・技術等を有する者として、
医師、公認会計士、弁護士、一級建築士等、一定の国家資格を有する者や、
システムアナリスト、一定期間の実務経験を有するシステムエンジニア等
が挙げられています。

なお、教員や研究者に関しては、大学等や研究開発法人の研究者、教員等に対する労働契約法の特例が平成26年4月1日から施行されており、無期転換権が発生するまでの期間は10年とされています。

・収入要件について
プロジェクト型については、一定の高収入を得ている者のみが対象となります。
収入要件についても、上記専門的知識等と同様、具体的な内容は現在、労働政策審議会で議論されている最中ですが、上記厚労省告示を見ると、年収1075万円という数字が示されていますので、有期特措法における収入要件も近い数字になるでしょう。
(今、話題のホワイトカラーエグゼンプションも同様の収入要件が示されていますね。)

・厚労大臣の認定
有期特措法の適用を受けるためには、厚生労働大臣が示した基本指針にしたがった計画を作成し、有期特措法の適用を受けるための申請を行い、認定を受ける必要があります。

実は、この基本指針もまだきちんと示されていないのですが、プロジェクト型では、プロジェクトの内容や機関について計画に盛り込む必要があります。
また、専門的な有期労働者の能力向上を一つの目的としていますので、対象労働者の能力の維持向上を目的とする教育訓練を受けるための有給休暇(労基法上の有給は除く)や、対象労働者が自主的に能力向上を図る機会の付与等の措置を設けるべきとされています。

次回は、中小企業で使うべき継続雇用型の要件、実務上の重要性についてご説明します。

(本連載の①③は下記リンクをご参照下さい。)

無期転換権発生までの期間に関する特例①:概要
http://www.kawarabayashi-law.jp/blog/2015/01/post-51-1072025.htm

無期転換権発生までの期間に関する特例③:継続雇用型
http://www.kawarabayashi-law.jp/blog/2015/02/post-53-1093031.html

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2015.01.15

無期転換権発生までの期間に関する特例①:概要

昨年11月28日に「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法」が公布され、本年4月1日から施行されます。

労働契約法18条では、有期契約労働者(いわゆる「契約社員」)の雇用契約期間が通算5年を超えた場合、その社員が「期間の定めのない雇用契約にしたい」と申し出れば、無期労働契約に転換するという「無期転換権」を定めています。

冒頭の特別措置法は、一定の条件を満たした場合に、この無期転換権が発生するまでの期間に特例を設ける内容の法律です。

対象となる労働者は、以下の2類型です。

①一定の期間内に完了する業務に従事する高収入かつ高度な専門的知識、技術または経験を有する有期契約労働者
②定年後に同一の事業主またはこの事業主と一体となって高年齢者の雇用を確保する事業者に引き続き雇用される高年齢者

ここでは、①をプロジェクト型と呼びますが、プロジェクト型は、期間限定のプロジェクトが完了するまでは無期転換権が発生しないことになります(但し、上限は10年です。)。

②の継続雇用型は、定年後に引き続き雇用されている期間は、労働契約法18条の「通算5年」という期間から除外されることになります。
つまり、定年後雇用の場合は、有期雇用契約が通算5年となっても無期転換権は発生しないことになります。

①のプロジェクト型の定めは、東京オリンピックの開催も一つの契機になっています。
東京オリンピックが開催されることで、それまでの期間限定プロジェクトが増えることが予想されますが、有期労働者の契約期間が通算5年を超えるとプロジェクト完了に関わらず無期転換してしまうので困る、一方、無期転換させないように5年を超えない期間で辞めてもらおうと思ったら、当該労働者はオリンピック前に辞めることになり、それまで当該労働者が培ったノウハウ等が無駄になってしまって困る、だから無期転換権発生までの期間を調整しよう、というわけです。
(オリンピックはあくまで一例で挙げられただけあって、オリンピックとは関係のない新規事業立ち上げ大型資源プロジェクト等も想定されており、全体として産業を活性化をさせようというのが狙いのようです。)

②の継続雇用型については、定年後の再雇用措置として有期契約の更新を繰り返す形態を取っている企業が多いのですが、有能だからといって通算5年を超えて勤務してもらうと無期転換権を行使されて本当の終身雇用になりかねない、一方、65歳になっても大いに企業に貢献できる人材はいますので、定年後、5年を超えない期間で雇止めにしてしまうのは、労働力人口が減少している我が国にとっては損失である、という考えが背景にあります。

本ブログでは数回にわたって、この特別措置法についての解説をしたいと思います。
続きは次回のブログに掲載します。

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2014.12.26

年末の駆け込み業務と信頼関係の醸成

弁護士業務は何故か毎年、年末は立て込みます(他の業種もそうかもしれませんが…。)。

多分、みなさん、正月を迎える前に、抱えているものを弁護士に投げて楽になったり、紛争を解決してしまいたかったりするのでしょうね。

私も先月後半から今月中は非常に立て込んでいました。

業務の内容は、クライアントとの打合せや、クライアントと一緒に相手方と面談を行うような類のものが多かったです。
このように、クライアントと場を共にして事件処理を行っていると、急激に信頼関係が構築されます。
個人の人生、あるいは企業の一大事に、知恵を絞って共に困難を乗り切ろうと闘うわけですので、弁護士もクライアントも人間性が出てお互いのことがよく分かりますし、共有する場があれば、お互いのことがより身近になるというわけです。

そういう意味では、忙しさはあったものの、非常に有意義だったと感じています。

本年も色々なことがありましたが、私を信頼してご依頼くださった方に対する誠意として、「やれるだけのことをやる」という姿勢で事件処理に取り組みました。
明日から一旦、年末年始の休みに入りますが、来年以降も「迅速・的確・臨機応変」に最大限の努力をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

2014.11.26

精神疾患と休職

最近、企業のお客さんから、社員の精神疾患に関する法律相談を受けることが非常に多いです。

同僚や上司との関係がうまくいっていないとして、「うつ病」との診断書が提出され、突如、出勤しなくなるなどということはよくあるのですが、悩みすぎて自殺未遂に至ってしまったような深刻なケースもあります。

多くの会社は、就業規則において、「休職」という制度を設けていると思いますが、社員が業務外の病気に罹患し、療養が必要である場合には、休職命令を発令することになります。

まずは、当該社員の病気が業務上のものかどうかを判断する必要がありますし、病状が悪化する前に適切に休職させなければ、会社の安全配慮義務違反が問われることもあります。

近時、精神疾患と休職の問題は色々と物議を醸しているのですが、運用は非常に難しい部分があるため、労務問題に詳しい弁護士に早めから相談して対応した方がよいでしょう。

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2014.11.20

労働法の知見

今年の9月に第一東京弁護士会(一弁)の労働法制委員会、労働契約法部会の副部会長に選任されました。

当委員会は、約150名の弁護士が所属しており、一弁の委員会の中でも最大規模の委員会です。
委員会の中には、労働契約法部会、労働時間法制部会、労使関係部会、男女雇用機会均等法部会、外国法部会、基礎研究部会という個別の制度に関する勉強会が「部会」という形で設けられており、毎月1回、各部会で判例の研究発表を行ったり、最新の法制度や実務対応について議論を行っています。

今までは、一委員として、興味のある勉強会に参加するという形だったのですが、副部会長に選任されてからは、毎回、部会に出席していますし、司法修習生相手に講義を行うなど、労働法や労働実務について勉強する機会が圧倒的に増えています。

私は中小企業法務を取り扱っており、契約問題だけでなく、労働問題、労務管理の法律相談を受けることが多いのですが、この調子で労働実務について見識を深め、より一層、皆様のお役に立てるよう邁進したいと思います。

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・労働時間管理
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・就業規則と懲戒処分
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2014.10.29

相続発生前の遺産を巡る紛争

「相続が発生する前から遺産を巡ってトラブルが起こっているがどうすればよいか」
最近多い法律相談です。

財産を有している高齢者の相続人間で、遺産の管理をするために、それぞれが被相続人候補者に近づき、自分が遺産を取得できるようにあの手、この手で策を講じるのです。

少し判断能力が低下した被相続人候補者を双方が連れ出して、全く内容の違う遺言書が何通も作成されているケースや(最後の遺言が効力を有するので、次々に遺言書が作成されるのです。)、預金通帳等の財産自体を事実上、自己の管理下においたり、管理している人に「渡せ」と通知するケース…。

いずれも傍からみると、親族間のドロドロの争いに見えてしまいます。

まず、財産を有している人は、自分が死んだ後、残った財産をどう相続させるかをよく考え、自分の意思で遺言を残すことが大事です。
その際、推定相続人に対して、きちんと遺言内容を説明できていればベストです。

また、本人が遺産についてきちんと意思表示をしないまま判断能力が低下してしまい、推定相続人間で争いが起きてしまった場合は、後見人を選任して、公正に財産管理をしてもらうとよいでしょう。

今は、任意後見契約といって、自分の判断能力が低下したときに財産管理等をお願いしたい人とあらかじめ契約を締結しておくことができますので、自分に判断能力があるうちに後見人を選んでおくことができます。
相続に関するトラブル防止のために様々な制度がありますので、弁護士にもよく相談して、自分の相続人にトラブルの種を残さないよう手当をしておくことを考えるべきでしょう。

2014.10.08

遺言書の必要性

私は、相続に関する法律相談を受けることも多いのですが、遺言がない状態で相続が発生した結果、権利関係が非常に複雑になってしまったというケースが散見されます。

特に不動産が遺産となっている場合、複数の相続人がいると相続人間で共有の状態となってしまい、問題が複雑化しやすいのです。

例えば、亡くなったAには、妻Bがいるが、子はおらず、Aの両親はずいぶん前に亡くなっていてAには兄弟C、Dがいるというケースを考えてみます。

Aの遺産に土地建物が含まれている場合、法定相続分にしたがうと、当該土地建物については、妻Bが4分の3、C、Dがそれぞれ8分の1ずつ(兄弟合わせて4分の1)の共有持分を取得することになります。

しかし、仮にAよりもDが先に死亡しており、DにE、F、Gという3人の子がいた場合、Cの8分の1の相続分はEFGが3人で相続することになり(これを「代襲相続」といいます。)、結果的に当該土地建物は、妻Bが4分の3、Cが8分の1、EFGがそれぞれ24分の1ずつの共有持分を取得することになります。

事案によっては、妻BとEFGにあたる人物の交流がほとんどないようなこともあり、そのようなケースでは土地建物の分け方でトラブルが発生してしまいます。

不動産が共有の状態となっている場合、共有物分割の手続きを行う必要がありますが、この手続きは非常に面倒ですし、人的関係が薄い者同士や、そもそも感情的な対立がある者同士の共有物分割は必ずといっていいほど揉めます。

そのような事態を避けるためにも、遺産(特に不動産)を有している方は、必ず遺言を作成し、どの遺産を誰に相続させるかの意思表示をしておいて下さい。

弁護士瓦林の相続に関するブログ記事

「遺言と遺言執行者」
http://www.kawarabayashi-law.jp/blog/2014/03/post-8-789941.html
「相続発生時の注意点」
http://www.kawarabayashi-law.jp/blog/2014/03/post-6-783203.html
「失踪した者が相続人となっている場合」
http://www.kawarabayashi-law.jp/blog/2014/04/post-23-838004.html

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